雷「とある司令官と電の勲章」

36pt   2017-12-14 22:05
SSマンション-SSのまとめブログ-

1: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:32:10.79 ID:D4TZY9KnO

・基本台本書き、書き溜めです
・設定に無理があったらごめんなさい
・宜しければこちらもどうぞ

暁「とある司令官と電のケッコン」

響「とある司令官と電の改二」

電「以上注意せよ、なのです!」

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3: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:33:24.84 ID:D4TZY9KnO

雷「司令官!もっと私に頼って良いのよ?」

なぜ頼りにされたいのか

雷「司令官のためなら雷、なんだってできちゃうんだから!」

なぜ頑張るのか

雷「司令官、私がいるじゃない!ねっ?」

私が、本当にしたいこと

雷「だから……もっと、もっと、頼って?司令官」

私が手を差し伸べなければ、あなたはここにいない

雷「私に、任せて……?」

私がしてあげるために、あなたは私の弱さもワガママも知らなくていい

雷「私に、声をかけ続けて……」

本当は

雷「お願いだから……私を、見捨てないで……っ」

本当は……

雷「私を見て……見失わないで……」

雷「」

あなたがずっと、私の手を引いてくれているとも知らずに、ただ押し殺す

 

5: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:37:23.97 ID:D4TZY9KnO

マルゴーマルマル 司令官の部屋

司令官「Zzz……」

雷「朝だ朝だーよー、朝は日ーがのぼーるー♪」

雷「マルゴーマルマル。おはよう司令官、朝よ!起きてー!」ユサユサ

司令官「ぅ……あと五分……」

雷「もー、そんなんじゃダメよ司令官。朝は元気に!起きなくちゃ」

司令官「そうはいっても……眠たいし……少しだけ……」

雷「もう……仕方ないわね、司令官ったら」ゴソゴソ

雷「私がいないと、だめだめなんだから!」ナデナデ

司令官「んぁ……いかずち……?」

雷「お寝坊さん、朝よ?ほら、起きて?」ニコッ

雷「それとも、まだ少しこうしていたいのかしら?」ナデナデ

司令官「んー、いかずちー……」ギュー

雷「よしよし♪」ナデナデ

 

6: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:38:05.19 ID:D4TZY9KnO

チュンチュン、チュン

司令官「またやってしまった……」ズーン

雷「あ、司令官、着替え終わったのね。今ご飯よそうから、どうぞ座って?」

司令官「おう……よっこいせ」

雷「~♪」

司令官(うーむ、いくら寝ぼけているとはいえ……雷が秘書艦として起こしに来るとどうしてか甘えてしまう)

司令官(司令官としての威厳、プライドとしては毅然とした態度を見せたいものだが)

雷「司令官?どうしたの?」

司令官「おわっ、い、雷……」

司令官(い、いつのまに膝上に)

雷「考え事かしら?そんな難しい顔してたら、ご飯も美味しくないわよ。もっと元気出さなくちゃ!笑顔笑顔♪」ホオナデナデ

司令官(あ、だめだこれダメになる)

雷「さっ、ご飯食べましょ?今日のおみおつけは我ながら上出来だと思うの!」

司令官「あ、ああ……じゃあ、いただこうかな」

雷「はーい!いただきます♪」ニコニコ

司令官「いただきます」

司令官(赤ちゃんプレイとかが僕の守備範囲外で本当に良かったと思う……ロリおかん恐るべし)モグモグ

司令官(あ、別に事後ではないですハイ)

 

8: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:40:27.05 ID:D4TZY9KnO

マルキュウマルマル 執務室

司令官「さて、うまい朝食も取って。今日も艦隊指揮、頑張るかな!」

雷「おーっ!」

??「失礼します、なのです」コンコン

雷「はーい、どうぞ」

電「電です、どうぞ宜しくお願い致します」ガチャ

雷「電、おはよう!」

電「雷ちゃん、おはようなのです。司令官……」チラ

電「……さんも、おはようなのです」

司令官「おはよう、電。待ってたよ」

雷「電、今朝は?」

電「午前の演習の随伴を務めるのです。と言っても、演習相手に潜水艦がいた場合に交代で入る感じなのですが……」

雷「今日は電がその担当なのね!応援してるわ!」ギュッ

電「はわわ、ありがとう。雷ちゃんの応援があれば百人力なのです」ニコッ

司令官(ううむ、相変わらず仲が良いなこの2人は。良いことだ)ウンウン

 

10: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:43:20.98 ID:D4TZY9KnO

司令官(電が来たから、後は演習メンバー6人と対潜水艦メンバー1人と……)

司令官「って、あれ?いつの間にか雷電姉妹がいない。どこ行った?」

<ジャーン!
<ジャア、サッソク……

司令官(ん、裏の戸から声が……僕の部屋か?)

司令官「」ヒョコッ

雷「ドキドキ」

電「……わぁ、美味しいのです!これは、司令官さん好みの味付けなのです」

雷「でしょ、でしょ!今日は会心の出来だったの。やっと、電のおみおつけの味が私にも作れたわ!」

雷「ありがとう、電。司令官ったら、何でも美味しいって言ってくれるから……逆にちょっと不安だったのよ」

電「分かるのです……嬉しいけれど、電もそれで最初は苦労したし……」

雷「ふふ……でもこれを機に、司令官の専属主婦になれる程色んな料理の腕を磨くんだから!」

電「い、電だってもっと頑張るのです!ここは、譲れないのです!」ハワワ

雷「じゃあ、一諸に頑張りましょ、電!」

電「なのです!」

司令官(ああ、今日も天使達がまぶしいです)

 

11: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:44:01.68 ID:D4TZY9KnO

ヒトマルマルマル 執務室

多摩「それじゃ、多摩も行くにゃ」

阿武隈「アタシも戻るわね。提督も、指揮お疲れさま」

司令官「おう、二人とも演習お疲れ。阿武隈はまた午後もな」

阿武隈「はーい」バタン

司令官「よしよし。午前の演習も順調だったね」

雷「当たり前よ、何たって自慢の妹がいたんですもの!」ギューッ

電「い、雷ちゃん……ちょっと照れるのです」モジモジ

司令官(そうだ、ここにキマシタワーを建てよう)

司令官「午後もこの調子で行けると良いんだが……ええと、午後のメンバーは……む?」ピラッ

 

12: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:44:33.56 ID:D4TZY9KnO

雷「電は、このあとはどうするの?」

電「えっと、一旦シャワーを浴びてから、部屋に戻ってちょっと書類の整理をしようかと。大本営から告知のあった、大規模作戦に向けての書類作りがまだ途中なのです」

雷「そっか……、電も大変ね。そうだわ、私も大規模作戦に向けて後で資材のチェックをしなくっちゃ」

電「雷ちゃんも、秘書艦お疲れさま、なのです」

雷「私は大丈夫よ?だって、寧ろ秘書艦って楽しいもの!大変だって思うことも含めて、すごく楽しいわ!」

電「ふふっ、雷ちゃんはやっぱりすごいのです」

司令官「雷は頑張り屋さんだし、色々気を配ってくれるし。本当頼りがいがあるよ」ナデナデ

雷「ふふーん♪」

司令官「勿論、電もね?」ナデナデ

電「はわ……い、電はまだまだなのです、もっと頑張らないと……」

雷「そんなことないわ、というかそこで謙遜しちゃダメよ電。もっと素直に喜ばなきゃ!」

司令官「そうだぞー、雷の言うとおりだ。ほれ、笑顔笑顔」ポンッ

電「はぅ……。……えへへ」ニコ

司雷(相変わらず天使のような笑顔だ……)

司令官「みんな、頼りになる艦娘達ばかりだからね。雷も電も、僕からすれば頼もしさの塊みたいなもんだし」

司令官「そこに何ら差は無いわけだ。二人とも胸を張って、これからもたくさん頼らせてくれな」

雷「はーい、司令官!」

電「なのです!」

 

13: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:45:21.29 ID:D4TZY9KnO

電「それじゃあ、電はこれで失礼するのです」

司令官「あ、電」

電「はい?」

司令官「悪いけど、部屋へ戻る前に初雪と望月に声かけてってくれないか?あの二人、午後の演習で対潜水艦担当なんだけど……」

雷「あー。たまに来ない時もあるもんね」クスクス

電「分かったのです、多分あの二人ならそれぞれの部屋にいるでしょうし……任せて下さい」

司令官「おう、サンキューな」

雷「じゃあ、またね、電」

電「また、なのです雷ちゃん」

 

14: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:46:01.56 ID:D4TZY9KnO

司令官「さて、と。雷、もう週の中日だし、今日である程度の任務は片付けちゃおうと思うんだ」

雷「分かったわ。じゃあ、今日は忙しくなるわね!張り切っていかなくちゃ!」

司令官「そうだね。差し当たっては出撃任務の消化から……僕は書類関係と艦隊指揮に取りかかるから、雷には取りあえずこれらの工廠任務をお願いできるかな?」バサッ

雷「わ、結構たくさんあるわね。あ、そっか。廃棄任務も追加されているのね」ペラ

司令官「休み休みで構わないから、ね。お昼もちゃんと取りながらやるんだよ?」

雷「分かったわ!それじゃあ、工廠へ行ってくるわ」

雷「司令官も、督戦の艦隊指揮なんだから。気をつけてね?」

司令官「ああ、ありがとう。また何かあったら、無線に連絡入れるよ」

 

15: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:46:44.12 ID:D4TZY9KnO

ヒトヨンマルマル 工廠

雷「ふぅ、これで廃棄任務もやっと半分ね。あと廃棄する物は……っと」パラパラ

雷「相変わらず7.7mm機銃が多いわねー。残り12個はやっぱりこれかしら」

雷「あー、でも99艦爆も多いわね……そういえば先週の秘書は、瑞鳳さんだったっけ」

雷「ドラム缶も相当溜ってきてるのよねー。とはいえドラム缶を廃棄するのは本末転倒な気もするけれど……」パラッ

雷(あれ?これも結構な量があるわねー……って)

雷「なぁんだ、ダメコンかぁ。これは廃棄対象外ね!」

雷「使わないからどんどん溜っていくけれど……」

雷「よし!機銃と艦爆を6個ずつ廃棄して、任務を完了させましょう!」

 

16: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:47:16.54 ID:D4TZY9KnO

ヒトヨンフタマル 工廠前廊下

雷「さてと。次の任務はなにかしら……」

雷「んー……、んんー?」パラパラ

雷「もしかして、司令官に言われてたこと全部終わっちゃった?」

雷(じゃあ、一旦執務室に戻って次の任務を――)

響「やぁ、雷じゃないか」

雷「あ、響」

暁「暁もいるわよ」ヒョコッ

雷「暁も。二人揃ってどこへ行くの?」

響「ちょっと甘味所にね」

暁「今日は間宮さん開店三年目記念の特別スペシャリュ限定パフェが出る日なのよ!」

響(噛んだ)

暁「こ、コホン……と言うか雷も先週はしゃいでたじゃない。普段は券を使わないとめったに食べれない間宮さんアイスが、たっぷり乗ったパフェだー!って」

雷「へっ?あ、あー!間宮さんの限定パフェ、今日だったっけ!?」キラキラ

響「その様子じゃ、忘れていたみたいだね」

暁「さっき電にも会ったけれど、ちょっとしたら甘味所に向かうって言ってたわよ。雷も、私達と行きましょ!」

雷「うん、行く!行くわ!私も……」

 

17: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:47:57.85 ID:D4TZY9KnO

雷「あ……」

暁響「あ?」

雷「でも私……今日、秘書艦だから……」

暁「良いじゃないそんなの、ちょっとくらい!」

雷「でも……」

暁「良ーい雷?暁がお姉さんとして1つ助言をしてあげるわ」

暁「秘書艦なんて一週間もあるしやろうと思えばいつだってできる。けどスペシャルパフェは今日一日しかないのよ!どっちが大事なの!?もちろんパフェだわ!」ビシィ

雷「う……」

響(すごい暴論だ)

響「もし心配なら、司令官に一言声をかけてきたら?きっと司令官のことだから、許可を出してくれると思うよ」

雷「うん……」

雷(そうだ。私が、少し休憩をもらって甘味所へ行きたいと言ったらきっと、司令官は快く頷いてくれるだろう)

雷(だけど……)

司令官『もう週の中日だし、今日である程度の任務は片付けちゃおうと思うんだ』

雷『分かったわ。じゃあ、今日は忙しくなるわね!張り切っていかなくちゃ!』

雷(きっと、ここで私が甘えたら、抱えている業務があってもそれを隠して。私に頼ることなく、一人で頑張っちゃうんだろう)

雷(そのことでほんのちょっとでも、司令官の心に穴が空いたら)

雷(……私に気を遣ってほしくない。ううん、私を頼ることにためらいを覚えてほしくない)

雷(司令官のそばには……私がいてあげなくちゃ……)

雷「――あっ、と!やっぱり、ごめん!私ったら、すぐにやらなきゃいけない任務を任されていたの!」

雷「ああっ、早く執務室に行かなくちゃ!暁、響、ごめんね!今度埋め合わせはするからっ」タタタッ

暁「え?う、うん。……あ!が、頑張ってね!」

響「ダスビダーニャ」

 

18: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:48:34.68 ID:D4TZY9KnO

響「行っちゃったね」

暁「……良かったのかな」

響「?」

暁「雷。間宮さんの限定パフェ、あの子が一番楽しみにしてたのに……」

響「……、……」

響「……暁より?」

暁「うん……って、暁はそんなに楽しみにはしてないわよ!あ、あくまでほんの少し!レディーとして、淡い期待を抱いていた感じなんだから!」

響「そう」クスクス

暁「わーらーわーなーいーのー!」!カスンプ

 

19: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:49:06.35 ID:D4TZY9KnO

ヒトヨンサンマル 執務室前

雷「っはぁ、はぁ……」

雷(とっさに嘘付いて、ここまで来ちゃったけれど……)

雷「」スゥーハァ

雷「司令官、雷よ。入るわね?」コンコン

司令官「おー」

雷「ただいま、司令官。司令官から受けていた任務、終わらせてきたわ!」

司令官「お、そうか。思ったよりも早かったね、さすがは雷だ」

雷「ふふーん。もっと頼って良いのよ?」

司令官「相変わらず頼もしいな。よしよし」ナデナデ

雷「えへへ……」

雷(そうだ……司令官が私を頼ってくれる。それが私にとっての何よりなんだ)

雷(司令官が喜んでくれると、私も嬉しい……)

 

20: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:49:39.80 ID:D4TZY9KnO

司令官「けれど……取りあえずこれで一段落だから、ちょっとゆっくりしていてくれ」

雷(――え?)

雷「し、司令官?別に、遠慮しなくて良いのよ?ほら、まだ任務も、あるでしょ?」

司令官「いや、それが大分捗ってさ。後は報告書類作成と演習の任務くらいなんだけど、ヒトゴーマルマルにならないと演習リストが更新されないから。まだ30分近くあるんだよ」

雷「30分……」

司令官「それに、30分後にすぐやらなくちゃならないって訳でもないし。今日は朝から働き詰めだろ?甘味所にでも行って、一時間くらいゆっくりしておいで」

雷(そんなにも時間があったら……、みんなと一諸にパフェも食べれたかもしれない、でも……)

雷『――あっ、と!やっぱり、ごめん!私ったら、すぐにやらなきゃいけない任務を任されていたの!』

雷『ああっ、早く執務室に行かなくちゃ!暁、響、ごめんね!今度埋め合わせはするからっ』

雷(あんなこと言って置いて今更、甘味所には行けないわ……)ギュッ

 

21: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:50:11.88 ID:D4TZY9KnO

司令官「雷?」

雷「……それじゃあ、さ、司令官。折角だし、私と一諸にお茶しましょ?」ニコッ

雷「働き詰めなのは司令官だって同じなんだし、二人でゆっくりティータイムするのも良いと思うの。ね?」

雷「お菓子もお茶も用意するから、司令官はゆっくりしてて?」

司令官「あ、ああ。雷がそう言うんなら、お言葉に甘えようかな……?」

雷「そうそう、私に任せて、甘えてくれたら良いんだから!」

雷(だって、そうでもないと私……)

 

22: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:51:07.49 ID:D4TZY9KnO

ヒトナナマルマル 演習場

阿武隈「みなさぁん!私の指示に従ってくださーい!」

雷「阿武隈さん、相変わらず苦労してるみたいね……」

司令官「それでも、以前より指揮能力も上がっているし、なにより阿武隈自身の練度も大分上がっているよ」

雷「うーん、それはそうかもしれないんだけれど」

島風「みんなおっそーい!もっともっと突撃しようよーっ」

夕立「言われなくても!夕立、突撃するっぽい!」

望月「あー、だりぃ……」

初雪「部屋、戻って……寝たい」

川内「やーせーん!夜戦まだーっ!?」

阿武隈「……んぅもうっ!従ってくださぁいぃ!」

雷「いささかメンバーに問題があるような……」

司令官「いやぁ、はは……」

 

23: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:51:51.67 ID:D4TZY9KnO

勝利 S

司令官「まぁでも、終わってみれば見事な指揮に見事な結果だったわけで」

阿武隈「なんかどっと疲れた気がするんですけど……」

司令官「お疲れさま。そんな阿武隈にはとっておきのプレゼントがあるぞ」

阿武隈「えっ、本当?……どうせろくな物じゃなかったりするんじゃないの?」ジト

司令官「そういうことは、実物を見てから言うんだな。ほれ」

阿武隈「ん。……何これ、勲章?」

司令官「おめでとう阿武隈。今の演習に勝利したことによって、君の練度は大規模改装を行うことの出来る域にまで達した。よって……」

雷「!?もしかして……」

阿武隈「ちょ、ちょっと待って下さい!大規模改装って、まさか……」

司令官「ああ。少し前に大本営から発表があったんだ。軽巡洋艦阿武隈の改二実装に成功したと」

阿武隈「!」パアァ

雷「……、……」

 

24: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:52:31.74 ID:D4TZY9KnO

雷「すっごーい!」キラキラ

司令官「おおぅ、雷。いきなり声を上げたらびっくりするじゃないか」

雷「えへへ、ごめんなさい。でも、嬉しいんだもの!阿武隈さんにもついに改二が来たなんて!」ニコニコ

司令官「お前は誰かの改二が来るたび、本当嬉しそうにするなぁ」ナデナデ

雷「嬉しいことは嬉しいんだから、仕方ないじゃない♪」

雷「ねっ、みんなも嬉しいよね?」

望月「まぁ確かに、おめでたいわなー」パチパチ

初雪「こういうのも悪くない……かも」パチパチ

夕立「これはもう、最高に素敵なパーティするしかないっぽい?」パチパチ

川内「同じ軽巡として、嬉しいよ!これで夜戦も捗るね!」パチパチ

島風「私も早く改二になりたーい!」パチパチ

阿武隈「わ、わ!み、みんな、そんなに持ち上げられたら……うう」

司令官「あはは、阿武隈顔真っ赤だぞ」

阿武隈「も、もう。からかわないでくださいっ!」

 

25: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:53:15.65 ID:D4TZY9KnO

望月「……あれ?でもさ、それならなんで……ああ、そっか」

雷「どうしたの?望月」

望月「いやぁ。足りないんだろー、勲章」

雷「え」

阿武隈「そう言えば、貰ったの三つだけ……」

司令官「あ、あははー」

望月「ったく、わざわざオチを用意しなくても良いのにさ」クスクス

阿武隈「てーいとく?」ジトォ

司令官「うぐ……げ、月末だしもう少ししたら大本営からの月ごとの任務が更新されるから、もう数日待って貰うって形で……ダメ?」

阿武隈「えー、どうしようかなぁ?」

阿武隈「なーんてね。ここまで育てて貰って、勲章が足りないくらいで怒ったりしません。寧ろ提督、本当にありがとう!」

司令官「阿武隈……」ジーン

雷(……そうだわ!)

 

26: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:53:45.73 ID:D4TZY9KnO

雷「司令官!確か今月はまだ北方海域のEOを達成していないわよね?」

司令官「え?あ、ああ。今月はそこまで手がまわらなかったし、時間ももう無いからな……」

雷「でも、まだ数日あるじゃない!ねぇ、司令官。今からでも任務をこなせないかしら。ほら、阿武隈さんに限らず改装設計図だって足りていないんだし」

司令官「うーむ、今から間に合わせようとすれば確実に高速修復材を多用することになるし……なにより短期間の出撃過多で負担が掛かるからね」

雷「大丈夫よ!高速修復材の数なら秘書艦としてちゃんと管理してるから余裕があるのも分かっているし、負担だって私はへっちゃらなんだから!」

司令官「はは、頼もしいな。けれどね、雷。僕は司令官として、君達艦娘に無理をさせるわけにはいかないんだ。そりゃ、有事の際はその限りでないかもしれないけれど……」

司令官「少なくとも今は。雷含め、みんなの休む時間を削ってでも無理矢理動員するべき時じゃないからね」ナデナデ

雷「う……そっか、みんなの負担に……でも……」

阿武隈「雷ちゃん、ありがとう、気に掛けてくれて。でももう数日待てばいい話だし。ね?」

雷「阿武隈さん……。そう、ね。うん」

 

27: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:54:30.35 ID:D4TZY9KnO

雷「じゃ、じゃあそうと決まったらせめて阿武隈さん改二の前祝いをしましょ!うん、それが良いわよ、司令官!」

阿武隈「ふえぇ!?何もそこまで、」

司令官「前祝いか……まぁ誰彼改二になる度パーティしてる訳じゃないし、小規模で、になるけど。よし、じゃあ早速今夜やるか!」

雷「おーっ!セッティングや声かけは私に任せてね!」

初雪「それ……食べ物とかだけ貰って部屋に帰っちゃダメ?」

雷「ダーメ♪」

初雪「うう……仕方ないか」

 

28: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:55:05.35 ID:D4TZY9KnO

ヒトハチマルマル 鎮守府廊下

雷「さて、と……小規模でのパーティだし、声をかけるのは阿武隈さんにお世話になった人達と……」ウーン

雷「ふふっ、でもみんな阿武隈さんの改二報告にびっくりするだろうなぁ」

タマゴヤキニイワノリッテアウトオモウ?
ナノデス!

雷「あら、この声、電と瑞鳳さんかしら?丁度良いわね。おーい!」

瑞鳳「雷ちゃん。こんばんは」

電「こんばんは、なのです!」

雷「はい、こんばんは。ねぇ2人とも、今日この後、フタマルマルマルくらいから時間あるかしら?」

電「この後ですか?んー、……特に用事はなかったと思うのです」

瑞鳳「私も、特にないかな?」

雷「それは良かったわ!実はね、今夜秘密裏にちょっとしたパーティを開くの。良ければ是非と思ってね」

瑞鳳「パーティ?何かあったっけ……誰かの誕生日か何か?」

雷「ふっふっふ。実はとある艦娘の改二祝いなのよ。さぁ、果たして誰――」

 

29: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:55:40.10 ID:D4TZY9KnO

電「わぁ!もしかして阿武隈さん、練度が75になったのですか?」

雷「っえ……?あ、え、ええ。そうなのよ」

瑞鳳「ええーっ、阿武隈が改二になるって事!?なるほど通りで提督、ここ最近阿武隈のレベリングに励んでいたのね……」

雷「瑞鳳さんは、知らなかったのね……というかどうして、電、知っていたの?」

電「大本営から阿武隈さんの改二通知があった日、司令官さんから聞いたのです。だからその日からずっとずっと楽しみで……」

雷「その時は、電が、秘書艦だったの?」

電「?秘書艦はイクちゃんだったような……」

雷「そう……なんだ……。私は、今日まで知らなかったわ……」

雷(今週はずっと、秘書艦として司令官の側にいたのに)

雷「……、……」

電「あ……」

瑞鳳(む……)

 

30: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:56:17.12 ID:D4TZY9KnO

瑞鳳「あーあ、私先週秘書艦だったのに何も聞いてないんだけど?電ちゃん相変わらず贔屓されすぎー。これが正妻の特権かぁ」ウリウリ

電「はわわっ、そ、そんなんじゃ……」モジモジ

瑞鳳「お代官様。こやつめはくすぐりの刑に処するべきかと存じますが、いかが致しまする?」

雷「ふぇ?あ、わ、私?えっと……」

電「ご、ご慈悲を……なのでs」

瑞鳳「問答無用!秘義・格納庫をまさぐられる手つき再現術!」コチョコチョ

電「ふにゃあ!?あっ!ず、ずいほ……っさん!そこ、そこは、ひぅっ!?んにゃ、あ、んっ!」

雷「もー、2人して何してるのよ……」クスクス

 

31: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:56:56.10 ID:D4TZY9KnO

瑞鳳「やりすぎましたごめんなさい……」

卯月「ごめんなさい……」

伊19「反省してるのね……」

雷「いや、最初は笑いながら見てた私も私なんだけど。でもさすがに」チラ

電「ひゅー……は、っん……あ……」ビクッビクン

雷「もう、こんなになるまでやるなんて。めっ!なんだからね!」

瑞鳳「はい……」

卯月「もうしないぴょん……」

雷「イクに至ってはくすぐりの域を超えてたし……」

伊19「イク式マッサージなのね!雷もどう?」ワキワキ

雷「ちぇすとぉ!」ドッ

伊19「お”ぅっ!?」

卯月(島風ちゃんかな?)

雷「電、立てる?」

電「あ……なんとか、なのです」

雷「良かった……。瑞鳳さんも卯月もイクも、罰としてパーティの飾り付けに協力すること!」

瑞鳳「はい……」

卯19「……ぱーてぃ?」キョトン

雷「そうだわ!早くみんなに声かけちゃわないと……。そういうことで、フタマルマルマルから執務室で始まるからね!それじゃあ!」ダッ

 

32: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:57:44.71 ID:D4TZY9KnO

電「……」

瑞鳳「……」

卯19「???」

電「瑞鳳さん。ありがとう、なのです」

瑞鳳「ううん、寧ろ荒っぽいやり方でごめんね?卯月ちゃんとイクが乱入してきたのは完全に想定外だったわ」

電「あはは……」

卯月「ぴょん?」

瑞鳳「さて、じゃあ行きましょうか。飾りづけ、しなきゃだしね」

電「はい、電もご一緒するのです」

卯月「よくわからないんだけどぉ。うーちゃんも行くぴょん」

伊19「なんだか楽しそうなのね♪」

瑞鳳(あの人の性格からして、阿武隈の改二をギリギリまで内緒にしておきたい気持ちも分かるし、電ちゃんにだけは伝えたいって言う気持ちも分かるけれど)

瑞鳳(もう少し女心を分かってあげられたらなぁ。まったく、提督もまだまだなんだから)

 

33: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:58:35.56 ID:D4TZY9KnO

フタマルマルマル 工廠裏

司令官「暁、響、雷、電、初雪、望月、川内、島風、夕立、瑞鳳、多摩、卯月、イク、阿武隈、木曾、夕雲、秋雲、朝雲、五月雨、長波、若葉、初霜、陽炎、潮、霰、曙、北上……よし、全員いるな」

夕立「小規模って言ってた割には結構たくさんいるっぽい。おかげで場所もお外になっちゃったし」

司令官「これでも大分紋ったんだぞ。なぁ雷」

雷「そうよ、大変だったんだから」

阿武隈「……というか」ジッ

北上「ん?」

阿武隈「なんで北上さんまでいるんですか!」

司令官「だってお前、いつも北上北上言ってるじゃないか」

阿武隈「提督知っててやってるでしょー!」

北上「まぁまぁ。諦めなよ、ね?」ニッコリ

阿武隈「ひぃっ!」

 

34: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 11:59:32.47 ID:D4TZY9KnO

司令官「ほらほら、そこら辺にして。折角間宮さんが甘味所から出張して持ってきてくれた料理が冷めちゃうぞ。趣旨説明するから集まって」

若葉「趣旨説明も何も、阿武隈さんが改二になる記念の前祝いだろう?」

曙「勲章が足りなくて肝心な設計図が用意できてないって、ホントクソ提督らしいわよね」

司令官「うぐっ……そ、そんな話までもう広まっているのか」

潮「あ、あの……寝てる人や既に食べ始めてる人がいるんです、けど……」

司令官「え」

初雪「Zzz」

夕立「ぽひ?」モグモグ

司令官「……。よし、阿武隈!開会の一言!」

阿武隈「そ、そんないきなり振るの!?あ、えー、あーっと、えっと!」

阿武隈「み、みなさん!今日はこんな私のために、どうもありがとう!こ、これからもその、宜しくお願いしますっ!」ペコッ

パチパチパチパチ!! ワーワー!

雷「ふふっ。よかったわね、司令官!阿武隈さんも、みんなも嬉しそう!」

司令官「ああ。提案してくれた雷のおかげだよ、ありがとう」ナデナデ

雷「えへへっ♪当たり前よ、何たってこの雷様なんだから」

司令官「さすが、頼りになる子だよ雷は」クスクス

雷(ああ、良かった……。本当に、良かった)

雷(暖かい、大きな手。この手に撫でられることが、私にとって何よりの――)スリ…

 

35: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:00:21.55 ID:D4TZY9KnO

マルマルマルマル 第六駆逐隊の部屋

暁「ただいまっ、暁のお布団!」ボフッ

響「帰ってきたね。お風呂も入ったし、後は布団を敷いて寝るだけだ」

暁「うーん、でも余韻が冷めないというか、もうちょっと起きていたい気分なのよね」

暁「ねぇねぇ、艦生ゲームでもしない?」

雷「あら、珍しいじゃない。いつもこの時間はぐっすりなのに」

暁「盛り上がったからかしら?今はとっても目がるんるん何だから!」

響雷電(それを言うなららんらん/なのです)

電「電は構わないのです」

響「ふむ……、私も付き合おうかな」

雷「仕方ないわねー。じゃあ、用意するから待ってて」

 

36: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:01:11.30 ID:D4TZY9KnO

電「ろーく、なな……えーっと、……はわ!また赤ちゃん出来ちゃったのです」

雷「五人目かー。電は子沢山ね!」

響「一体どれだけ司令官と夜を共にしているんだい?」クスクス

電「ひっ、響ちゃん!もう!」カオマッカ

暁「……響、それ何杯目?」

響「なに、まだ一本開けたくらいさ。暁もどうだい?」

暁「あ、暁はまだこれが残ってるから遠慮しておくわ」チビチビ

電(梅酒初挑戦の暁ちゃんにウォッカを進める響ちゃんは鬼なのです……響鬼なのです……)

響「ん……お、やっと私もケッコンカッコカリマスだ。まさか改二マスより後になるとは思わなかったな」

暁「実際は、逆なのにね」

雷(ケッコンカッコカリ、か……)

雷(思えば、電を初め暁も響も、今はその証を身に付けている)

雷(私だけ、まだ……)

雷(司令官、私は、)

雷「ケッコン……出来るのかな……」ボソッ

 

37: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:01:54.25 ID:D4TZY9KnO

響「雷?」

雷「はっ……あ、ううん!その……ぱ、パーティ、あの日以来だなって思って。ほら、電がケッコンしたとき、パーティ開いたじゃない?」

響「そう言えば、そうだったね。あの時は鎮守府総出だったから、色々とすごかったけれど」

暁「今となっては、懐かしいなぁ……。司令官がケッコン指輪を机の上に出しっぱなしにしたせいで騒動が起こったりもしたっけ」

電「本当なのです。司令官さんは、困ったさんなのです」クスクス

響「しかし、あの晩もこうして四人で盛り上がったけれど。あの時言った言葉は、本当になりそうだね」

雷「うん……?なんだっけ?」

響「ほら、雷が言ったんじゃないか。もしかしたら私達四人、全員が指輪を貰えるかもしれないって」

雷「あ……」

暁「そんな話、したかしら……」ウーン

響(暁はあの時、心ここにあらずって感じだったからな)

 

38: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:02:31.22 ID:D4TZY9KnO

響「電が指輪を受け取った後、しばらくして暁が指輪を貰って。私は、ヴェールヌイへの改造前夜に、司令官から指輪を貰った」

暁「そう言えば雷、つい最近練度が98になったのよね?だとしたらもうすぐじゃない!」

雷「そっか……うん、そうよね。もうすぐ司令官から指輪も貰えて、きっと改二も立て続けに来たりなんかして!」

雷「ああもう司令官ったら……私が頼りになりすぎるからって、そんなことまで……」ポポポ

電(一体どんな想像をしているのでしょうか……)

響「分かるよ雷……信”頼”というのはとても素敵なことだからね」シミジミ

暁(片やくねくねして片や何か余韻に浸ってる……)

雷「よーし、そうと決まったら私も電に負けないくらいいっぱい司令官の赤ちゃん産むんだから!」ルーレットシャーッ

電「だ、だから紛らわしい言い方をしないで欲しいのですーっ!」><グルグル

 

39: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:03:13.23 ID:D4TZY9KnO

マルヒトサンマル

暁「ん……」ウツラウツラ

雷「暁……?寝てる?」

暁「ふぁ……!ね、寝てないわ!寝てない……」ウツラ

響「まぁ、こうなるだろうとは思っていたけれどね。私もさすがに、眠い」フアァ

電「そろそろ、お開きなのです」

響「そうだね。お酒を冷蔵庫にしまって来ないと」

雷「それなら、私がしまってくるわ」

響「いいのかい?じゃあお言葉に甘えようかな」

電「その間に、布団を整えておくのと暁ちゃんの事はお任せ、なのです!」

雷「ええ、任せたわ。じゃあ、行ってくるわね」

響「スパスィーバ」

 

40: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:03:57.16 ID:D4TZY9KnO

マルヒトヨンマル 鎮守府共有談話室

雷「よいしょ。これでOKね」

雷「それにしても、ここって誰もいないとこんなに暗くて不気味な場所なのね……冷蔵庫を閉めるのもはばかられるわ……」

雷「って、そんなことも言っていられないし。早く閉めて帰らなきゃ……」

??「暗いし、誰もいないみたい。電気付けるね」

雷「!」

パチッ

??「あれ、冷蔵庫が開けっ放し……もう、誰かしら」パタン

??「んー、でも見た感じ人はいないみたいだけれど……」

雷(何かうしろめたくてつい柱影に隠れちゃったわ……)

雷(あれは……司令官と、阿武隈さん?こんな夜ふけに、どうしたのかしら)

阿武隈「ごめんなさい、提督。こんな時間に……」

司令官「構わないさ。君達が悩んでいるなら、放ってはおけないし。それに、あまり人には聞かれたくない内容なんだろう?」

阿武隈「うん、まぁ……ね」

雷(相談事……?だとしたら、ここにいるのは無粋ね。足音を立てないようにして、あっちの出口から――)

阿武隈「雷ちゃんのこと、なんだけれど……」

雷「」ピクッ

 

41: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:04:46.13 ID:D4TZY9KnO

司令官「雷か……」

阿武隈「きっと、提督も分かっていることだとは思うんだけど、ね。祝って貰っておきながらこんな事を言うのもあれなんだけど」

阿武隈「雷ちゃん……ちょっと、自分勝手なんじゃないかな、って」

雷(――え?)

阿武隈「あ、その。悪く言うつもりはないの。だから、もしそう聞こえたならごめんなさい。自分勝手というか、周りが見えていないって言うか」

阿武隈「今日だって……私のことを思って言ってくれてるのは分かるんだけど、思いつきで海域に出撃しようとか、パーティを開こうとか。提督も諫めていたけどさ、海域の攻略も備蓄とか負担を考えずの発言だったし、……パーティだって本来ならしない方が良かったんじゃないかなって」

司令官「……」

阿武隈「そりゃ、改二艦が出る度にこんなお祝いをしているなら良いけれど……実際はそうじゃないわけでしょう?ここにいる艦娘たちはみんないい人達だけれど……心のどこかでうらやむ人だって、出ちゃうと思うんだ」

阿武隈「雷ちゃん、昔からそういうところあるからさ……。良いと思ったことには周りが見えなくなって。……北上さんじゃないけど、あの子、あのままだとウザイって思われても、仕方ないというか……」

雷「」ズキッ

雷(何、それ……?私は、私はただ、)ジワ

 

42: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:05:28.10 ID:D4TZY9KnO

司令官「阿武隈」

阿武隈「っあ……ごめんなさい、提督、今のは、その……自分でも、言い過ぎだとは思うわ……」

司令官「……」ハァ

司令官「まぁ……な。阿武隈が言いたい事も、分かるよ。阿武隈が雷の為を思って、こうして相談してくれていることも分かる」

司令官「……僕も、雷のことはずっと見てきたからさ。阿武隈が言ったことはもっともだと思う。それは否定しない」

雷(そ、そんな……そんな……)フルフル

司令官「事実、雷が秘書艦を務めるときなんかは彼女をそれとなく抑える事も心がけてきたわけだし……彼女は良く、頼ってくれと言うからな」

雷(いや……いやよ……)ツゥ

阿武隈「提督……」

司令官「今日のパーティは、僕もGOを出しちゃったからね。僕自身も後先考えられなかったり諫めるべき時に諫められなかったりと、まだまだそういった甘い部分があるわけだけど」

司令官「……ま。雷のそういうところは、電にも少し相談してみるとするよ」

雷(!え……どうして?どうし、てそこで、電の名前が、出て、)

司令官「電ならば――頼れるからね」クスッ

雷(――――)

 

43: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:06:21.39 ID:D4TZY9KnO

電「あ、雷ちゃんおかえりなさい。暁ちゃんに加えて、響ちゃんも寝ちゃったのです」

雷(――あれ……私、いつの間に、部屋)

電「ずいぶん遅かったみたいだけど……どうしたのですか?何か、あったのですか?」

雷(電……?……ああ、電。電かぁ。電、電)

雷「まだ、起きていたんだ」

雷(布団の上に、ちょこんと正座して)

雷「もしかして、待っていてくれたの?」

雷(重いまぶたを、こすりながら)

電「なのです!雷ちゃんと、一諸に寝るのです!」

雷(ああ、そっか。電は出来た妹だもんね。きっとそういうところが、司令官にも頼りにされて……電は、私は……)

電「雷ちゃん……?」

雷「あ、ううん。ぼーっとしていたわ、ごめんねっ?私の頭も大分おねむみたい」フアァ

電「電も、きっと電気を消して横になったら、すぐにぐっすりなのです」

雷「ふふ、そうね。さ、明日もあるし寝ましょうか。電気、消すわね」

電「あっ……ちょっとだけ待って欲しいのです……、……」キュ

雷(指輪……そうだよね。電はいつも、寝るギリギリまで、指輪を嵌めているもんね)

電「よいしょ……」

雷「……もう大丈夫?」

電「あ、ごめんなさい、雷ちゃん。大丈夫なのです!」

雷「それじゃ、消すね?お休み、電」パチッ

電「うんっ。お休みなさい、なのです」

雷「よいしょ、私も……」ゴソゴソ

雷(……)

 

44: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:06:58.19 ID:D4TZY9KnO

雷(電。私、ダメだ)

雷(暗くなると、静かになると、独りになると。司令官の顔と、あなたの顔がぐるぐるぐるぐる頭の中を回ってしまって)

雷(胸が、痛いの。とても、とてもいやな感情が沸き上がってくるの)

雷(司令官はどうして)

雷(電はどうして)

雷(私は、どうして……)

 

45: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:07:33.62 ID:D4TZY9KnO

雷(例えば、今あなたの枕元にある小箱を蹴り飛ばしたら、盗んだら、捨てたらどうなる?)

雷(そういうことを考えるとね、なぜだか胸がすっとするのよ)

雷(そういうことばかりをね、考えてしまうの)

雷(電。ともすれば私は、あなたを……)

雷(……いやだ……そんなの、いやだ。私は、電が)ギュッ

電「ん……雷ちゃん?」

 

46: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:08:23.25 ID:D4TZY9KnO

雷「……、……大好きよ、電」

電「はわっ!い、雷ちゃん?」

雷「ねぇ、今日は1つのお布団で寝ましょ?大好きな妹と、くっついて寝たい気分なの」

電「はわわっ、あう、う……」プシュー

雷「ふふっ……」ナデナデ

電「い……電も、大好きなのです……お姉ちゃん」ニコ…ッ

雷(……ああ、そうだ。やっぱり、さっきのはなにかの間違い。だって、今私の胸はこんなにも温かい)

雷(電はずっとずっと、大切で、可愛い、大好きな、私の――)

雷「――私の方が、大好きなんだから」

 

47: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:09:10.85 ID:D4TZY9KnO

3日後
ヒトマルマルマル 執務室

山城「失礼致します」カチャ

瑞鳳「あ、来た来た」

司令官「よし、これで4人集まったね」

電「山城さん、おはようございます、なのです!」

雷「おはようございますっ、山城さん」

山城「ええ、おはよう。……この4人ということは、なるほど……」

司令官「まぁ大体察しは付いているかと思うが。取りあえず今から、出撃する海域と航行序列、装備に関して説明するから」

瑞鳳「了解ですっ」

 

48: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:10:18.83 ID:D4TZY9KnO

司令官「――で、ここからは基本的にいつも通り単横陣で……」

雷「……」

電(あの日から、雷ちゃんはどことなく、おかしい)

電(いつも通りに振る舞っているように見えて、けれど、いつも以上に張り切って、頑張って)

電(……時たま、気が付くとぼーっとしているのです)

電(雷ちゃん……)

 

49: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:10:58.67 ID:D4TZY9KnO

司令官「電、聞いているか?」

電「はわっ!あ、そ、その」

電「すみません……聞いていなかったのです……」

司令官「……電。作戦会議中は、集中しないといけないよ?己れの身、仲間の身を守るためにも……まぁ、君に対しては今更かも知れないけれど」

電「はい……」

司令官「それか、どこか具合でも悪いか?」

電「い、いえ!電は、大丈夫なのです」

司令官「そうか……なら良いんだが。じゃあ、もう一度作戦説明を」

雷「司令官!電には私が説明するわ。今から艤装の準備にも取りかからないといけないし、道すがらに、ね?」

司令官「ん……分かった、じゃあそこは雷に任せよう」

雷「ありがとう、司令官。電、行きましょう?」

電「あ、は、はいなのです!」

 

50: ◆pxTJMwo04OvB 2015/12/09(水) 12:11:35.82 ID:D4TZY9KnO

司令官「……」

山城「……提督、最近の雷ちゃんの様子だけれど」

司令官「ああ……そうだね、分かってる。明日は休みだし……そこでゆっくりと話を聞いてみようと思う」

司令官「だから今日一日、出撃の時は頼んだよ。山城、瑞鳳」

山城「そうね……任せて下さい」

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